【旅行記】香川0日目(サンライズ瀬戸)【2023】
無職になりました!
なので香川に向かいます。
次の仕事は決まっているのでにわか無職ではあるが、期間が空くのでこの間にどうしてもやりたいことがあった。
それは「寝台列車に乗ること」と「両墓制*1のお墓を見に行くこと」だ。
寝台列車。車両の老朽化でいつかなくなるかもしれないから、その前に乗っておきたい。前々からそう思っていたけれど中々行くタイミングがなくここまできてしまった。
今回乗るサンライズ出雲・瀬戸は人気の電車らしく、乗車日の1ヶ月前に予約しないとチケットが取れないことも多いらしい。みどりの窓口に行けば部屋の場所を選べるのだが、さすがに行けないのでネット予約で我慢。豪華な個室や二人用の個室は数分足らずで埋まっていたが、「B寝台 シングル」という一番多い個室のチケットは無事に取ることができた。
退職日、平日ど真ん中の夜に東京駅から寝台列車に乗り込む。このころは気持ち的にだいぶ疲れていたので、ここに来てもまだ旅に出るという実感はなかった。
サンライズ瀬戸(夜)
サンライズの到着を知らせるアナウンスが流れると、ホームにカメラを持った人が多く集まった。
私の部屋は2階だった。瀬戸内海がよく見える側で、晴れていると朝日が見ることができるらしい。翌日は晴れる予報だったのでアラームを設定して朝日チャレンジをする。
個室は思っていたよりもだいぶ広かった。入り口は160くらいなら腰をかがめる必要もないほど天井の高さがある。アメニティは浴衣、コップ。コンセントもついているので充電ができる。ただWi-Fiはないけど快適だ。でも結構揺れがえぐくて出発直後すぐに酔い止めを飲んでいる。
サンライズは東京を出発して都心からどんどん離れていく。明るいビル群。通り過ぎる駅のホームに立つ人々。車窓の外を流れる景色を見ていると、これから旅に出るのだと少しずつ実感してきた。
神奈川に入ったあたりだろうか?動く秘密基地みたいでずっと見ていられる。
まだ起きていたいので寝転んで音楽を聴く。これが高純度な夜の生産地…
2階個室は窓が湾曲しているおかげで、寝転がると星が見えた。興奮していてまだまだ起きていたかったけど、朝も早いので就寝する。おやすみなさい。
サンライズ瀬戸(朝)
旅の朝は早い。アラームが鳴る前に起きた。
これなら瀬戸内海の朝日も見られそうだ。岡山に着く前に着替えなどを済ませる。じわじわと太陽が昇っていって街が目を覚ましていく。まだ大半の人は家にいるであろう、朝のこの空気がすごく好きだ。
岡山駅で列車の切り離し作業が行われて、後続は出雲へ向かう。朝日を見る以外に早起きしたもう一つの理由がこれだ。
ただ、私が乗るのは先行の高松に行く列車なので、実は切り離しを全て見ることはできないのだった…(少し写真を撮ったあとに急いで車内に戻った)
列車は岡山を後にして瀬戸大橋を渡る。
角田光代の”八日目の蝉”が好きで、原作の小説と映画で特に印象的だったのが瀬戸内海の描写だった。夕焼けに照らされた凪いだ海がキラキラと光って、その上を大きなフェリーが滑るように進む。実際は夕暮れの海を眺めるという描写なのだが、朝焼けのおかげで陽が沈んでいるようにも見えてそれもまたよかった。モデルである小豆島には今回行くことはできないが、少しでもその気分を味わえた。
写真や動画を探せばいくらでも似たような瀬戸内海は出てくるけれど、やっぱり生で見ると感慨深くなってしまう。瀬戸大橋の上を渡るこの区間は、時間にしたら10分足らずの短いものだ。それでももう既に寝台列車で香川に来ることを決めて良かったと、満足していた。晴れてくれて、本当によかった。この景色は多分一生忘れないだろう。
高松
朝7時くらいに高松に到着。
宿泊予定の離島に向かうために三豊市の方まで移動しなくてはいけない。特急電車が来るまでまだまだ時間があるので、高松市内を散策することにした。
朝の腹ごしらえとして駅の近くでとりあえずうどんを食べに行った。出汁が見当たらなくてこのまま食べてしまった…
食後は港でぼんやりと海とフェリーを眺めていた。海が綺麗で、風もなく凪いでいた。想像通りの瀬戸内海で興奮しっぱなしだ。
大きなボラが群れを作って泳いでいた。都内のボラは美味しそうに見えないけどここのボラは水が綺麗なぶん美味しそうに見える。
瀬戸内海はかつてスナメリが多く見られたらしい。環境の変化で現在はあまり見られないようだが…
時間までずっと海にいてもよかったけど、せっかくなのでもう少し観光をする。その前に商店街近くのマルナカ(スーパー)で宿泊時の飲食物を購入した。その後は港近くの玉藻公園に移動。
全国でも珍しい海水のお堀とのことで、コイではなくタイの餌やりができた。ぷりっぷりとした体格のいいタイが餌を食べにきて面白い。
なんやかんやで移動の時間になり、高松駅に戻る。いよいよ塩飽諸島の志々島へと向かう。
次の日はこちら
*1:埋葬地とお墓詣り用の二つのお墓を設ける墓制のこと