だぶ散歩

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旅行、廃墟の話をしたりTrySailの話をしそう

【旅行記】香川2日目(三豊市)【2023】

志々島とお別れの日。

香川初日の記事はこちらから。

boooom.hatenablog.com

 

 

志々島

一棟貸し自体が初めてで、しかも島で唯一の宿泊施設。私以外は全員島民しかいない状態で過ごすこの宿は、本当に自分の家のように感じた。まだこの島を楽しみきれていないからもう何泊かしたかった気持ちが大きい。

この景色ももう見れない

家の門を振り返る

 

本当は朝一の船で帰る予定だったのを眠くて名残惜しくて一便後のものに変更した。今日はガチガチに予定も組んでいないし、のんびり高松に戻れればいい。

築150年のこの家は、最後まで木の匂いに満ちていて居心地がよかった。チェックアウト時間までごろごろしても、船の時間までは余裕があることだし最後に港まわりを散策しよう。

宿までは実はこんな道だった

日が落ちたあと、ライトも持っていない状態でここを歩けと言われたら正直怖すぎる。

たこ壷を洗う人もいた

すごい体勢のヤギ

時間が合えばこのヤギは放牧されている。

志々島ふれあい館

休憩所と郷土資料館を兼ねたようなものだった

ふれあい館の中も静かで、時計の針の音だけが響いていた。入り口にあるソファーに腰掛けて足休めをする。

これ以上あまり遠くに行くのもあれなので、「休けい処くすくす」で船を待つことにした。おそらくもう開店の時間だ。

休けい処くすくす

おすすめのハーブティーとおまけで生八ツ橋を出してくれた

くすくすが開くと船待ちと思わしき人たちがどこからともなくやってきた。3人組のおじちゃん、若い女性が1人、男性が1人。どうやら朝一の便できて、島のめぼしいところを見てきたようだった。おじちゃんたちを起点に会話が始まる。どこから来たのか、なにをしに来たのか。

女性は大学生で、春休みを利用して埼玉から来ていた。青春18きっぷヒッチハイクを使い、九州をまわってここまできた。この後はこんぴらさんに向かう。

おじちゃん3人組は全員香川出身だ。高校の同級生で、内2人は仕事をリタイアしており、もうひとりもそろそろ…という状態らしい。よく一緒に旅行をしていて、今回志々島に来たのも「なんだかんだで来たことがなかったから」だそうだ。

このあとはどうするのかと聞かれ、高松のホテルに行くだけだと答えると「これから車で父母ヶ浜に行くけど、よかったら来るか?」と誘われた。

面白そうだ。今日は高松の商店街を適当に歩くだけのつもりだったし、せっかくなので旅に同行させてもらうことにした。

 

三豊市観音寺市あたり(ドライブ)

おじちゃんたちについて

ややこしくなりそうなので、おじちゃんたちのざっくりとした情報をまとめておく。

・Aさん

一番話好きで陽気。人懐っこい。セミリタイアして妻とのんびり暮らしている。

・Bさん

柔和。車の運転はこの人。耳が悪いようで補聴器を使っている。リタイア済み。

・Cさん

某会社の支店長。強面で渋い。東京、兵庫にいたこともある。もう少しでリタイア。

 

3人とも香川出身で高校の同級生で頻繁に旅行をしたり、仲間内のカラオケ大会を開いている。甲子園好きで母校を応援している。全員結婚していてAさん、Cさんは孫もいるらしい。

こがね製麺

昼前。宮ノ下港に着くなり、おじちゃんたちの車に乗り込む。まずは腹ごしらえに近くにあるおすすめのうどん屋さんに行くことになった。

かけうどん中(2玉)

「食べるのが好きならサイズは中がいいよ」と勧められるがまま頼んだら、中は2玉分のことだった。予想外に多く盛られたうどんに驚いていると、同じように中を頼んだAさんが「意外と多かったね」と笑っていた。ほか二人はちゃんと小を頼んでいる。どうして。
作り置きだったのか、麺は思っていたより柔らかめだったが、スープの出汁が効いていてとにかく美味しかった。磯辺揚げもさくさくで美味しい。なんとか完食。福岡の牧のうどんを思い出す量だった。

父母ヶ浜

車を走らせてやって来たのは父母ヶ浜。ここは屈指の映えスポットなのだが、残念ながら天気は悪く微妙な写りに。条件がいい日はウユニ塩湖のように鏡面ができあがるという。

www.mitoyo-kanko.com

ウキウキでスマホを取り出したAさんに、父母ヶ浜の看板(夕焼けの写真が貼られている)と自分の写真を撮ってほしいとお願いされた。娘に送りたいそうだ。

「昔はなんもない浜辺だったのに、いつの間にこんな観光地になったんや」とCさんがぼやいていた。言われた通りここには若い人が多かった。洒落たカフェもあって、晴れた土日はもっと人が多いのだろうなと想像できる。

しばらく散策したあと、雨が降る前に行こうかと次の場所まで移動することになった。

 

車内ではBさんが運転席、Cさんが助手席、Aさんと私が後部座席という並びで座っていた。隣に座るAさんと必然的に会話が多くなる。

娘さんのことを聞いてみると、とても仲がいいようで、連絡もよく取り合うしこの前は一緒に高知に旅行しにいったのだと嬉しそうに写真を見せてくれた。

結婚していて音楽の先生をやっているらしい。今は家族と千葉県で暮らしている。「〇〇(地名)ってとこなんだけどわかる?」と言われた場所は、偶然なことに私の実家のすぐ隣の街だった。

高屋神社(天空の鳥居)

車はどんどん山道を登っていく。ときどき離合が難しいような道もあった。ここも映える観光地で道中わナンバーの車をよく見かけた。駐車場に車を止めてからお目当の鳥居までは上り坂を5分ほど歩いた山頂にある。

Bさんはあまり体が強くないのか、時折よろけていて心配で支えられる距離で歩くことにした。補聴器を使ってはいるけど小さい声だと聞こえにくそうだったので大きな声で話す。

学生時代は軽音楽部に入っていて、ずっとギターを弾くのが好きだったという話。奥さんとは病院で知り合って、お互いに耳が悪いという話。今は手話を習うために教室に通っているという話。勉強し続けてるのすごいですねと言うと、勉強をやめたらもっと老いちゃうからと笑っていた。

絶景

晴れていたらまた違った雰囲気になるのだろう。でも雨雲のかかった淡い景色もこれはこれでいい。ちなみに鳥居の奥は男坂になっていた。今まで我々が歩いてきた道が女坂だったのだろうか?

山頂のベンチで休憩をして、そろそろ戻ろうかというタイミングで雨が降り出した。

こんぴらさん

「せっかく香川に来たんだし、時間が大丈夫なら寄っていってやろう」というCさんのご厚意で、こんぴらさんのあたりを通って高松まで戻ることになった。雨で平日ということも御構い無しにこんぴらさんの参道には人や車の姿がある。

車窓から見える参道

金丸座

琴平駅

高松まで戻る道中は昔話や近況を聞いていた。「この前は車で兵庫の温泉に行った」「次はどこに行こうか」「Bの嫁さんも連れて来ればいい。ひとりでいさせたら心配だろう」話題はつきることがなかった。

Cさんは他二人に比べるとやや寡黙であった。そんなCさんが饒舌になったのは、AさんやCさんが参加しているというカラオケ大会の話だった。

始まりは数年前。同級生や知り合いを集め、定期的に開いていて、優勝すると結構な大きさのトロフィーがもらえる。カラオケと言ってもカラオケ施設ではなく、カラオケ喫茶で行われるらしい。次回は次の日曜日で、絶賛練習中らしいAさんがご機嫌に歌の録音を聞かせてくれた。正直めっちゃくちゃ上手くてびびり散らかしてしまった。

前回の優勝はAさんで、その前はCさん。家にトロフィーを持ち帰ると奥さんに邪魔だと言われてしまったという。写真を見せてもらうと、1mはありそうなトロフィーの横でCさんがにっこりと笑っていた。これはたしかに邪魔そうだ…。妻には尻に敷かれているとぼやいていたが、なんだかんだ嬉しそうに聞こえた。

道中にAさん宅があり、Aさんはそこでお別れとなった。「明日も暇だからどっか連れて行こうか?」と聞いてくれたが私は島に行く予定があったので、残念ながら遠慮させてもらった。

NEWレオマワールドの観覧車が見える

高松

ホテル&夕飯

「ここ俺が支店長やってる会社だよ」とCさんが指差したところを見ると、誰でも名前を聞いたことがある会社だった。だから兵庫にも東京にも来たことがあったのかと納得する。しかしそんなにえらい人だったのか…。高松築港駅の前でCさんが降りる。

高松築港から私が泊まるホテルは近く、一瞬でついた。こういうのは連絡先とか聞かない方がいいでしょうということで、Bさんとお別れをする。これが本当の一期一会か。

結局、厚意に甘えてホテルの目の前まで送ってもらってしまった。「運転も案内もありがとうございました。楽しかったです」と伝える。Bさんは「また会えたらよろしくね」と笑って去ってしまった。

3人とも元気に過ごしていればいいし、またどこかで会えればといいなと思う。

リーガホテルゼスト高松

シンプル

羽毛とそば殻が一体化した枕

これから数日ここが拠点になる。古くからあるホテルで壁の薄さは気になったが、商店街は真横にあり、港へのアクセスの良さも抜群だ。ただこの謎の一体化枕は初めて見た。分離して2個じゃだめだったのだろうか…?

このホテルは旅行支援割引が使えた。クーポンを見るとなんと6,000円分も。ほぼ宿泊費1泊分ほどのクーポンがついてくるという思いがけないバグにあった。さっそくクーポンを握りしめて夜ご飯を食べに繰り出す。

超人気店、寄鳥味鳥

骨付鳥(若)

17時すぎですでに列はできていた。早く来たのが功を制してすぐに入店。私が頼んだのは骨付鳥(若)、とりめし、讃岐くらうでぃ(日本酒)の3つだ。

骨付鳥は親(歯ごたえがあり旨味がギュッ)と若(普段食べてる鶏肉で柔らかくジューシー)の2種類がある。以前、「一鶴」という有名店の通販で食べ比べをしたところ、私は若が好みだったので今回もそうした。

ガツンとくるスパイシーさと塩味と油に目が覚めた。美味しい!!!最後にお皿に残った油をキャベツにつけて食べると幸せ……

讃岐くらいでぃは骨付鳥に合う!!と書いてあったので頼んだ。昔飲んだことがある気がするが、味は覚えてなかったので問題ない。甘酸っぱくて飲みやすい日本酒だった。口がさっぱりする。

高松中央商店街

食後の散歩に商店街を散策する。

この商店街は8つの商店街が合体してできており、アーケードの総延長は2.7Kmと日本一長い。ちなみにドームの高さも32mで日本一だ。

少し複雑な形になっているので以下参考用のマップ。私が泊まるリーガホテルゼストは兵庫町商店街の入り口にある。

www.takacci.or.jp

 

丸亀町商店街

多くの人が想像する「商店街」とかけ離れた西洋風の景色。チェーン店もあり、人もお多くあり活気がある。

天文台のような広場には高級店が並ぶ

綺麗だ

華々しいイルミネーション

 

ドラッグストアもあり便利
常磐町商店街

おやつを買いに来た。高松出身の友人曰く、洋菓子屋の「三びきの子ぶた」が美味しいらしい。お店はことでん瓦町駅の向かいにある。そして瓦町駅からは常磐町商店街が一番近い。ここまで来ると丸亀町商店街のような活気はなかった。

人とお店が減る

ことでん瓦町駅

奥に見える建物はそごうの抜け殻にできた「瓦町FLAG」という商業施設だ。チラッとテナントを見たが、正直寂しい感じだった。商店街で事足りそう。
無事におやつも買えたのでホテルに戻る。

おやつ

実は三びきの子ぶたのフルーツサンド以外にも、アーケードドームのあたりで「讃岐おんまい(和三盆を使ったミルクあんのおまんじゅう)」を買っていました。すみません。

もうひとつ白状すると、左奥にひっそりと見えるものは香川初日に買ってからずっと隠し持っていた「かまどパイ」である。バターをふんだんに使ったリーフパイで、ナッツがアクセントになっていてすごくすごく美味しい。自分のお土産にも買って帰るつもりだ。

 

明日からは島旅が中心になる。朝一の船に乗る予定なので、これらのおやつは朝ごはんも兼ねているのだった。軽くおやつを食べて満足したところで、おやすみなさい。

 

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